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原状回復の豆知識

通気層の下地木材(胴ぶち)は、縦に通して外壁下端から吸気し、軒裏や天井裏に逃がすのが正しく、夏の外壁冷却の効果も少しはあります。 しかし最近、私が目にした例では、胴ぶちを水平方向に施工して水蒸気を逃がす気流を阻害していた建築現場がありました。
寒さや暖房の仕方によってかわるので、ただちに結露にいたるとはいえませんが、工事を依頼する建築屋さんと話し合ってみて、理解度を調べたほうがいいかもしれません。 日本は高温多湿だから壁内結露がおきやすい、という人もいますが、この現象は冬おきることなので、それは間違いです。

石油ファンヒーターなどで温度・湿度を上げたり、換気が正しくなされていなかったりすると危険は高くなります。 逆に、室内の水蒸気量が低く保たれると危険度は下がります。
愛知県のハイブリッド・ソーラーハウスで、冬に壁内結露を調べてみました。 悪い構造の壁の例で、室内側には水蒸気の侵入を防ぐ防湿フィルムはないし、断熱材の外側は透湿シートどころか鉄板とモルタルでおおってあり、通気層もありません。
こんな状態なのに、最低気温マイナス2〜マイナス3℃になっても壁内結露はみられません。 室内側は全室型時間暖房で、室温17℃湿度17%程度です。
外気温がさほど低くないという事情はあり、U地域以北ではこれではすみませんが、暖房の仕方、室内の温湿度のようすによって結露の有無は大きく左右されるということです。 きちんと全室別時間暖房がなされ室内が乾燥しているのが当然であるドイツやアメリカの人が、結露といったらきょとんとしていたのも理解できます。
通気工法で侵入する水蒸気を吐き出す構造を確保しておくことは優れた方法ですが、暖房環境を良好にしておくことも壁内結露の防止にとても重要なのです。 せっかく高断熱住宅を建てながら、全室別時間暖房をしないで、寒い暮らしをしている例は少なくありません。
それまでの家がよほど寒かったのでしょうか、「うちは、いつでも17℃はあります」と満足している人もいますが、それでは快適というにはほど遠いものです。 また、居間に吹き抜けや階段を設けた高断熱・高気密住宅を建てた人が、一冬すごして、あまりの燃料消費の多さに驚き、話が違うと施工した工務店と争っている例もありました。
「次世代省エネルギー基準」は、名前からはエネルギーを節約するための基準のように聞こえますが、本当は西欧諸国なみの快適で健康な暮らしのために、「一年中、いい季節がある家」をつくり、それをできるだけエネルギーを有効に使って実現するためのものです。

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